カザフスタン・アルマトイ滞在で感じた治安・ホテル・グルメ事情
カザフスタンは、日本人にとってまだ少しイメージしにくい旅行先かもしれません。今回訪れたアルマトイは、カザフスタン最大の都市。実際に歩いてみると、大きなショッピングモール、緑の多い通り、テラス席のあるカフェが並び、街のすぐ先には山が見えました。配車アプリを使えば市内を移動しやすく、食事や日常の買い物にも困りません。
一方で、街を出ればコルサイ湖、カインディ湖、チャリンキャニオンなどの大自然があります。2026年8月に滞在した経験と、実際の予約記録や支払い内容をもとに、空港からの移動、治安、宿泊、決済、カフェ、郊外ツアーについて紹介します。
アルマトイの基本情報
アルマトイはカザフスタン南東部、天山山脈のふもとにある国内最大の都市です。現在の首都はアスタナですが、アルマトイは1997年まで首都だったため、今も経済と文化の中心として存在感があります。中心部には街路樹や公園が多く、大都市の中に緑が自然に入り込んでいます。通りの先に山並みが見えるのも、この街らしい景色です。
通貨はカザフスタンテンゲで、KZTまたは₸と表記されます。日本との時差は4時間で、日本の正午がアルマトイの午前8時です。カザフ語に加えてロシア語が広く使われ、観光客が多いホテルやカフェでは英語が通じる場面もありました。ただ、タクシーの運転手や小さな店では英語が通じないこともあります。行き先の住所をロシア語表記でも保存し、翻訳アプリをオフラインで使えるようにしておくと安心です。
空港から市内への移動
私は8月21日の夜にアルマトイへ到着し、空港から最初の宿だったResident Hotel Gogol までタクシーで移動しました。このとき支払ったのは15,000テンゲ。当時の換算ではおよそ5,400円です。深夜や到着直後は相場が分からないまま車に乗りやすいため、乗車前に金額を確認することの大切さを実感しました。
市内で便利だったのは配車アプリのYandex Goです。出発地と目的地を入力すると、乗る前に料金が表示され、車種、ナンバー、現在地もアプリで確認できます。空港で利用する場合は、到着前にアプリのダウンロードと電話番号認証を済ませておくのがおすすめです。ターミナルや出口によって迎車場所がずれることがあるため、現在地だけで呼ばず、出口番号を確認してから配車します。
到着ロビーで声をかけてくる車に乗る場合も、先に料金と支払い方法を確認した方が安心です。ホテル名と住所をスクリーンショットに残しておけば、通信が不安定なときや、運転手に英語が通じないときにも見せられます。
※日本円換算は、2026年8月滞在時の目安として1テンゲ=約0.36円で計算しています。実際のレートは利用時期により異なります。
緑とカフェが身近な都会
アルマトイでまず目に入ったのは、大きなショッピングモールと、緑の多い通りに並ぶテラス席でした。若い人たちはスマートフォンを片手に歩き、服装も店のデザインも洗練されています。街を歩いていると、ヨーロッパやロシアの都市にいるような感覚になる場所もありました。私が知っているつもりだった中央アジアのイメージは、少し限られたものだったと街を歩き始めてすぐに気づきました。
もうひとつ印象に残ったのが、カフェの多さです。私は韓国でバリスタの資格を取り、旅先でも観光名所と同じくらいコーヒーショップを探します。アルマトイには、内装、照明、器、メニューまで丁寧に作られた店がいくつもありました。Cafe MASSIMOもその一つです。店内の雰囲気だけでなくコーヒーもおいしく、休憩のために入るというより、カフェそのものを目的に訪れたくなる店でした。
便利な都市でありながら、街路樹の向こうや大通りの先に山が見えます。都会的な日常と大きな自然が同じ視界に入ることが、アルマトイの面白さでした。


街路樹と都会的な建物の向こうに山が見えるアルマトイ中心部。


内装や器まで丁寧に作られていたCafe MASSIMO。コーヒーも印象に残りました。
女性目線で感じた治安
私が中心部を歩き、カフェやショッピングモールを利用した範囲では、必要以上に身構える場面はありませんでした。日中は人通りがあり、目的地までYandex Goで移動できるため、土地勘がなくても行動しやすい街です。知らない国へ来たという緊張はありましたが、街の雰囲気そのものを怖いとは感じませんでした。
ただし、海外の都市であることに変わりはありません。市場や混雑する場所ではバッグを体の前に持ち、スマートフォンや財布をテーブルに置いたままにしない。夜は人通りと照明のある道を選び、歩く距離が長い場合は配車アプリを使う。車へ乗る前には、アプリに表示されたナンバーと車種を確認する。アルマトイだから特別に怖がる必要はありませんが、こうした基本的な対策は必要です。
郊外ツアーは早朝集合や夜の帰着になることがあります。宿から集合場所までの移動も含めて予約時に確認し、早朝はYandex Go で入口の前から移動できる宿を選ぶと負担を減らせます。
市内移動はYandex Goを基本にする
短い滞在で使いやすかったのは、徒歩とYandex Go の組み合わせです。目的地を文字で入力できるため、運転手へ口頭で説明する必要がなく、料金交渉もありません。大きな荷物がある日、夜の移動、早朝ツアーの集合場所へ向かうときに特に便利でした。
アルマトイには地下鉄とバスもありますが、停留所名の表記や乗り換えを確認する時間が必要です。数日間の滞在なら、中心部は歩き、距離がある場所はYandex Go を使う方が分かりやすいと感じました。
地図はGoogleマップだけでなく、現地の店舗や入口を探しやすい2GISも候補になります。2GISは、住所や店舗情報、建物の入口、公共交通ルートなどを確認できる地図アプリです。宿と集合場所は事前に保存し、スクリーンショットも残しておくと安心です。
カードと現金と両替
市内のホテル、カフェ、レストラン、ショッピングモールではカードを使える場所が多く、日常の支払いで大きく困ることはありませんでした。ただ、現金をまったく持たずに行くのはおすすめしません。空港からの移動や、郊外ツアーの途中にある小さな売店、有料トイレなど、現金が必要になる場面があるからです。
私は到着時に100米ドルをテンゲへ両替しました。旅の途中で800テンゲを日本円に換算すると約289円だったため、価格を見るときの目安にもしていました。最初から多額を替えすぎる必要はありませんが、少額紙幣を用意して、財布とは別の場所にも分けておくと安心です。
カザフスタンを出た時点で10,000テンゲが残り、キルギスの首都ビシュケクで3,500ソムへ両替しました。国をまたいで周遊する場合、余った通貨を次の国で替えられることはありますが、レートが必ず良いとは限りません。市内ではカードを中心に使い、現金は交通費と郊外用と考えると残額を調整しやすくなります。
実際に泊まったふたつのホテル
最初の3泊はResident Hotel Gogol に滞在しました。住所はGogol Street 129で、Agoda(アゴダ)から予約し、3泊合計は35,648円でした。アルマトイへ着いた直後の滞在先として、ホテル名と住所を配車アプリに入れられるようにしておくと移動がスムーズです。
キルギスを周遊してアルマトイへ戻った後は、Novotel Living Almaty Jetisu を予約しました。住所はAbylai Khan Avenue 55です。帰国便は8月30日の22時10分発でしたが、荷物を置き、出発前まで部屋を使えるよう8月31日まで確保していました。夜便の日は通常のチェックアウト後に長い空き時間が生まれるため、レイトチェックアウトの料金と、もう1泊予約する場合の料金を比べる価値があります。
宿泊エリアを選ぶときは、観光地への近さだけでなく、郊外ツアーの集合場所も確認します。私が参加したツアーは午前4時40分集合でした。中心部の便利さに加えて、早朝でもYandex Go が宿の入口へ来られるか、集合場所まで何分かかるかを見ると失敗しにくくなります。
食事とカフェとお土産
アルマトイは食事の選択肢が多く、困ることはありませんでした。カザフ料理や中央アジア料理だけでなく、ロシア料理、ウズベク料理、ジョージア料理、韓国料理なども見つかります。中央アジアらしい料理を探すなら、肉と幅広の麺を合わせたベシュバルマク、ラグマン、プロフ、サムサ、シャシリクなどが候補です。一皿の量が多い店では、2人で分けながら注文すると複数の料理を試しやすくなります。
カフェは朝食や休憩のためだけではなく、街の雰囲気を知る場所にもなりました。店内で過ごす若者の服装や、器、照明、メニューを見ると、観光地とは違うアルマトイの日常が見えます。バリスタとしてコーヒーを飲み歩く私にとって、カフェの充実はこの街の印象を大きく変えた要素でした。
お土産を探すなら、スーパーとグリーンバザールを見比べると選びやすいでしょう。定番として見つけやすいのは、カザフスタンの菓子ブランドRakhatのチョコレート、ドライフルーツ、ナッツ、蜂蜜、紅茶などです。市場ではカザフ文様の布小物やフェルト製品も探せます。食品は帰国先の持ち込み規制があるため、肉や乳製品を含むものは原材料を確認してください。
朝4時40分集合の17時間ツアー
8月23日はGetYourGuide で予約した日帰りツアーに参加し、ブラックキャニオン、コルサイ湖、カインディ湖、チャリンキャニオンを巡りました。大人2人で169,976ウォン。集合は午前4時40分、出発は5時、所要時間は17時間という長い一日でした。集合場所はNazarbayev Street 28/16の大型バス駐車場です。
前日には催行会社からWhatsApp で連絡があり、車両が同型の別の車へ変更されること、集合地点の地図、車両写真、ナンバーが届きました。海外のツアーでは、予約サイトの画面だけでなく、催行会社から届くWhatsApp も確認しておく必要があります。早朝だったため、前夜に服、パスポート、現金をまとめ、集合場所を地図に保存しておきました。
街を離れると建物が減り、道路の先に山と広い土地が現れます。コルサイ湖では深い緑に囲まれた水面が静かに揺れ、カインディ湖では水中から立ち枯れた木々が伸びていました。チャリンキャニオンには、風雨が長い時間をかけて削った赤褐色の岩壁が続きます。アルマトイのカフェで過ごした翌日に、見渡す限り山と湖しかない場所に立てる。その距離の近さが、この旅で最も印象に残りました。
17時間のツアーは、訪問地の数だけを見ると効率的ですが、移動時間も長くなります。歩きやすい靴、水、軽食、日焼け止め、帽子、薄手の上着、モバイルバッテリーを用意し、翌朝にフライトや長距離移動を入れない方が安心です。湖や山では通信が不安定になる可能性があるため、集合場所と催行会社の連絡先はオフラインでも確認できるようにします。

深い緑の山々に囲まれたコルサイ湖。アルマトイから日帰りツアーで訪れました。

水没した森の一部が今も水面から伸びるカインディ湖。

赤褐色の岩壁が続くチャリンキャニオン。写真以上に大きさを感じる場所でした。
出発前に知っておきたかったこと
実際に役立ったと感じたのは、到着前にeSIMを設定し、Yandex GoとWhatsApp をすぐ使える状態にしておいたことです。配車、地図、ツアー会社からの連絡に通信が欠かせません。翻訳アプリ、ホテルの住所、集合場所、帰国便の情報もスクリーンショットで保存しておくと、電波が弱い場所でも確認できます。
反対に、到着直後は現地の料金感覚がなく、空港からホテルまで15,000テンゲを支払いました。空港を出る前に通信を確保し、配車アプリの表示料金や正規カウンターの料金を確認してから移動すれば、判断しやすくなります。現金は必要ですが、最初に100米ドルを両替した結果、出国時に10,000テンゲが残りました。カードが使える市内では、現金を必要な分だけ替える方が管理しやすいと感じます。
もう一つは、郊外ツアーの長さです。集合時間が早く、17時間かかるため、観光地の数だけでなく、宿から集合場所までの時間と翌日の予定まで含めて考える必要があります。
『一日でたくさん回れる』ことと『体が楽』であることは別でした。
よくわからないだけで外すには惜しい街
アルマトイは、中央アジアが初めてでも動きやすい都市でした。カフェ、レストラン、ショッピングモールがあり、Yandex Go を使えば言葉に自信がなくても目的地へ移動できます。女性として歩いても、基本的な防犯対策をしていれば、街の時間を落ち着いて楽しめました。
何より魅力的だったのは、都会と自然が近いことです。洗練されたカフェでコーヒーを飲み、その翌日には湖と渓谷を巡る。同じ滞在の中で、まったく違う風景を体験できます。
アルマトイが意外な街だったのではなく、私はこの街について知らなかっただけでした。情報が少なく、よく分からないという理由だけで旅行先から外すには惜しい街です。
本記事の体験情報と料金は2026年8月時点です。交通、料金、営業時間、安全情報は変更されるため、渡航前に各サービスと公的機関の最新情報をご確認ください。









